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親の空き家を売却して大変だったこと6つ|遠方・家財処分・指値交渉まで経験した宅建士の話

「親の家、そろそろ売った方がいいのかな」と思いつつ、なかなか動けていないあなたへ。

固定資産税、光熱費、NHK……誰も住んでいないのにお金だけかかっていく。庭木は伸び放題。でも売るとなると何から始めればいいか全然わからない。

私も同じでした。

私は宅建士の資格を持っていて、自分のマンションを3回売った経験もあります。それでも、親の戸建てを売ることは想像以上に大変でした。

この記事では、2024年に自宅から高速で約1時間の場所にある戸建て(親が住んでいない空き家)を売却した体験を、包み隠さず書きます。失敗したこと、後悔したこと、「これは知っておけば良かった」と思ったことを全部。

同じ状況で悩んでいる方の、少しでも参考になれば嬉しいです。

目次

【前提】どんな物件だったか

まず、売った物件について簡単に説明します。

自宅から高速で約1時間の場所にある一戸建て。1991年ごろ父が購入し、購入価格は約4,000万円。私の自宅からは高速道路を使って約1時間の距離です。

親はすでにそこには住んでおらず、数年間空き家になっていました。荷物は比較的少なめでしたが、庭木は放置状態。固定資産税・光熱費・NHKなど、毎月お金だけがかかり続けていました。

そして2024年、ようやく売却を決断しました。

大変だったこと① 戸建ての査定は、マンションより「幅」が全然違う

まず驚いたのが、査定額のばらつきでした。

マンションの売却経験はあったので「複数社に査定を頼めばだいたい近い金額が出るだろう」と思っていたんです。でも戸建ては全然違いました。

査定額の幅は、約1,500万円〜1,980万円。差額が500万円近くありました。

マンションは同じ建物内に比較事例が豊富なので査定がしやすい。でも戸建ては土地の形・接道・日当たり・築年数…評価する要素が多くて、会社によって見立てが大きく変わります。

✏️ ここから学んだこと
戸建ての売却は、特に複数社への査定依頼が必須です。1社だけでは「それが適正かどうか」が判断できません。査定は無料なので、最低でも3社には依頼することをおすすめします。

大変だったこと② 査定のたびに現地まで行かなければならない

これが一番しんどかったかもしれません。

空き家の売却って、査定業者が来るたびに誰かが現地で立ち会わなければならないんです。鍵を渡しているわけでもないので。

私の場合、高速道路を使って片道1時間。査定のたびにそれを往復する。それが何度も続きます。

しかも……一度、大きなトラブルがありました。

査定額が一番高かった地元の不動産会社と契約しようと、また1時間かけて現地まで行ったんです。ところが、その不動産会社が当日来なかった。手違いか連絡ミスかわかりませんが、結局その日は何もできず帰ることになりました。

悔しかったし、疲れました。時間もお金(高速代・ガソリン代)も消えました。

最終的には、査定額は低めでしたが「自宅まで担当者が来てくれる」という条件で、もともとその物件を購入した会社の系列大手に依頼することにしました。遠方からの管理では、担当者が来てくれるかどうかは大きな判断基準になります。

✏️ ここから学んだこと
遠方の物件を売る場合は、査定額だけでなく「担当者との連絡体制・柔軟さ」も業者選びの重要な基準です。高くても来てくれない業者より、少し安くても誠実に動いてくれる業者の方が結果的に助かります。

大変だったこと③ 家財処分と庭木の費用・手間

空き家とはいえ、中には荷物があります。売却前には「空っぽ」にしておく必要があります。

買取できそうなものは業者に依頼しました。これも現地対応が必要なので、また1時間かけて行って立ち会い。

そして庭木。放置していた庭は、かなり荒れた状態でした。買い手がついても「この庭じゃ…」となりかねないので、売り出し前に整えることにしました。

不動産会社に庭木の業者を紹介してもらうと高い。なので、近所に住む方に評判の良い庭木業者を聞いて、地元の業者に直接依頼しました。処分代込みで約4万円。不動産会社経由より安く済みました。

「近所の人の口コミ」は、遠方の物件売却では意外と使えます。地元の業者のリアルな評判を教えてもらえることがあります。

✏️ ここから学んだこと
庭木や家財処分は、不動産会社経由より自分で業者を探した方が安くなることがあります。近所の方や地域のクチコミを活用してみてください。

大変だったこと④ 境界測量で押し切られた

これは今でも少し腑に落ちていません。

売却活動中に「隣地との境界測量が必要です」と言われました。費用がかかります。

でも待って。その物件は元々、依頼した不動産会社の大元が売った物件なんです。購入時にすでに境界測量はやっているはず。30年経ったとはいえ、当時測量したのはそちらなのに、なぜもう一度?

「境界は揉め事のもとになりやすいので、確認が必要です」と言われました。言い返しましたが、結局押し切られてしまいました。

もし同じ状況になったら、購入時の書類(測量図・登記関係書類)を手元に持っておくことと、「当時の測量結果が使えないか」をしっかり交渉することをおすすめします。

✏️ ここから学んだこと
親の家を売る前に、購入時の書類(測量図・公図・登記簿謄本)をまとめておきましょう。境界測量の話が出たとき、根拠を持って交渉できます。

大変だったこと⑤ 指値交渉の連続

買い手がついたと思ったら、値下げ交渉が始まりました。

内覧後、業者から「買主が1,300万円なら買いたいと言っています」と連絡が来ました。これを「指値(さしね)」といいます。買主が希望価格を提示してくる交渉です。

渋々ながら1,300万円で合意しました。そしたら次に「やっぱり1,200万円で」と言ってきた。

親は「もういいんじゃないか」という気持ちでしたが、私は納得できず断りました。

すると、その後すぐに1,300万円で話がまとまりました。

後から不動産会社のレインズ(不動産情報システム)でその地域の成約事例を調べたところ、1,300万円前後が相場でした。高く売れたとは言い難いですが、相場の範囲内。

今になって思うのは、急いでいない物件なら、最初の売り出し価格をもう少し高く設定しても良かったということです。高めに出して、指値されても1,400〜1,500万円で決まっていた可能性もあります。ただし、最高査定額の1,980万円での売り出しは厳しかったと思います。

✏️ ここから学んだこと
急ぎでない場合は、最初の価格設定を少し高めに出すのも選択肢のひとつ。指値されることを見越して、交渉の余地を持たせておくと良いです。ただし市場とかけ離れた価格では売れないので、複数社の査定を参考に現実的な上限を探ることが大切です。

大変だったこと⑥ 専任媒介の「3ヶ月縛り」は慎重に

不動産会社と結ぶ媒介契約には、主に「専任媒介」と「一般媒介」があります。

専任媒介は、1社だけに依頼する契約です。業者側は積極的に動いてくれやすいメリットがある一方、一度結んだら3ヶ月間は別の業者に変えられません。

私は途中で「この業者、動きが遅いな」「もっと良い業者にすればよかった」と思う場面がありました。でも専任媒介の期間中は解除できない。

信頼できる業者かどうかを、契約前にしっかり見極めることが重要です。当日来なかったような業者に当たる前に見極められれば良かったと、今でも思います。

✏️ ここから学んだこと
専任媒介を結ぶ前に、担当者の誠実さ・連絡の速さ・地域の実績を確認しましょう。一度結んだら3ヶ月は動けません。複数社を比較してから決めてください。

それでも、売って良かったと思っています

大変なことをたくさん書いてきましたが、売ったこと自体は正解だったと思っています。

誰も住まない家に、固定資産税・光熱費・NHK・修繕費……毎年お金だけかかっていました。庭木の手入れもできなくて、ご近所にも迷惑をかけていたかもしれない。その重荷がなくなったことは、本当に気持ちが楽になりました。

そして何より、買ってくれた方が素晴らしい方でした。息子夫婦が近くに住んでいて、老後をその近くで過ごしたいというご夫婦でした。「家具も食器もそのまま置いておいてほしい」と言ってくださって。使われずに眠っていたものが、また誰かの暮らしの中で生きると思ったら、なんだかほっとしました。

お金の面だけで見ると、1991年に約4,000万円で買った家が2024年に1,300万円で売れた。正直、買わない方が良かった物件だったと思います。でも父の判断で買ったその家で、亡くなった母との思い出があります。子供たちと広い庭で遊んだ思い出もある。お金では買えないものを、あの家は与えてくれました。今はそう思うようにしています。

親の家の売却、まず動いてみてください

「いつか売らなきゃ」と思いながら、何年も放置してしまう——それが一番もったいないです。

空き家は放置すればするほど、傷みます。維持費もかかり続けます。そして親が元気なうちに動いた方が、書類の確認や立ち会いがずっとスムーズです。私も親が協力してくれたからなんとかなりました。

まず査定だけでも受けてみてください。査定は無料で、売る義務もありません。「今いくらで売れるか」を知るだけでも、気持ちの整理がずっとつきやすくなります。

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よくある質問

Q

親の家の売却は、相続してからでないとできませんか?

A

親が存命中であれば、親本人が所有者として売却できます。
相続前に売却する方が、名義変更の手間が省けることもあります。
親が高齢・認知症が心配な場合は、早めに動いておくことをおすすめします。

Q

遠方の実家を売る場合、毎回現地に行かないといけませんか?

A

査定・内覧立ち会い・鍵の受け渡しなど、何度か現地対応が必要になります。
「自宅まで担当者が来てくれる」業者を選ぶことで、移動の負担を減らせる場合があります。
契約・書類手続きは郵送や電子契約で対応できるケースも増えています。

Q

築30年以上の古い戸建ては売れますか?

A

売れます。建物の価値はほぼゼロでも、土地の価値で売れるケースがほとんどです。
リフォームせずそのままで売り出す「現状渡し」も一般的です。
解体して更地にしてから売る方法もありますが、費用対効果を比較してから判断してください。

この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。親の家の売却、一人で抱え込まずに、まず専門家に相談するところから始めてみてください。

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この記事を書いた人

40代後半、夫の突然のリストラを機に「自分の力で生き抜く強さ」の必要性を痛感。長いブランクとパソコンスキルゼロという逆境から、50歳目前にして「宅建」の一発合格を果たす。現在はクリーンな不動産管理会社にて、時給も環境も満足のいくパート勤務を継続中。

私と同じように「これからの人生、このままでいいのかな…」とモヤモヤしている主婦の方に、資格を通じて自分だけの主導権を取り戻す方法を発信しています!

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