「内覧前に何をすればいいかわからない」——マンションを売るとき、ほとんどの人がそう思いながら何も準備しないまま内覧当日を迎えます。
私はこれまでマンションの売却を3回経験し、直近の売却では値引きなし・査定価格の満額で成約しました。現在は宅建士・FP2級・賃貸不動産経営管理士の資格を持ち、不動産管理会社で働いています。
この記事では、3回の売却で「これは確実に効いた」と実感したことだけを、具体的なやり方つきでまとめます。特別な費用はほとんどかかりません。
※ まだ売却の全体像がつかめていない方は→マンション売却の流れ全8ステップも合わせてご覧ください。
この記事でわかること
- 内覧者が本当に見ている場所と、掃除の優先順位
- 数百円でできる水回りの磨き方(プロ目線の仕上げ付き)
- 内覧当日にやるべきこと・絶対にやってはいけないこと
- 不動産会社の選び方と契約の種類(失敗しない選び方)
- ハウスクリーニングにお金をかける前に読んでほしい結論
前提:掃除は「高く売る」魔法ではない
先に大切なことを言います。掃除をしても、相場より高くは売れません。価格を決めるのはあくまで相場です。
でも、内覧の印象が良い物件は申込みが早く入り、値引き交渉をされにくい。つまり掃除と見せ方は「高く売る」というより、「査定価格から下げずに売り切る」ための武器です。私が満額成約できた一番の要因も、ここでした。
自分でできること7選【掃除・内覧準備編】
① 水回りのステンレスを鏡のように磨く
内覧者が「きれいか、汚いか」を一番シビアに見るのが水回りです。台所のシンク・水栓・洗面台のステンレスは、くすんでいるだけで「古い・汚い」というマイナス印象を与えます。
キッチンマジックリンなどでステンレスを鏡のように光るまで磨き、仕上げは乾いた布で水気を完全に拭き取るのがプロ目線のポイント。水滴の跡が残ると台無しになります。費用は数百円、効果は絶大です。
② 鏡はアルコールスプレーで水垢を一掃
洗面台や浴室の鏡は、水垢がついているだけで一気にくたびれた印象になります。消毒用エタノールをスプレーして乾いた布で一気に拭き上げるだけ。歯磨き粉や専用クリーナーより手軽で、コスパも抜群です。
③ お風呂のドアパッキンはバスマジックリン+歯ブラシ
お風呂の入り口ドアのゴムパッキンが黒ずんでいると、一気に生活感が出ます。バスマジックリンを直接スプレーして古い歯ブラシでこするだけ。費用はほぼゼロで、内覧者のチェックが厳しい場所だからこそやる価値があります。
④ トイレは「床と便器の接合部」まで拭く
内覧者がひそかに、しかし確実に確認するのがトイレです。便器内の水垢・黄ばみはもちろん、床と便器の接合部分まで拭いておきましょう。ここが綺麗だと「この家は大切に使われてきた」という印象が家全体に波及します。
⑤ 玄関の靴は「1人1足」まで減らす
玄関は部屋の顔です。靴が溢れていると「収納が少ない」「狭い」と感じさせてしまいます。内覧期間中は出しておく靴を1人1足まで絞り、シューズボックスの中にも余裕を作っておきましょう。
⑥ においは「前日からの換気」が一番の特効薬
においは自分では気づけないのが最大の難点です。消臭グッズも補助にはなりますが、3回売却した私の本音は換気が一番効くということ。内覧の前日からすべての窓を開けて空気を入れ替えてください。
⑦ 内覧当日:電気を全灯して、口出しは最小限に
やること:家中の照明をすべて点灯する。天気が良くても、です。暗い部屋は狭く・古く見えます。費用ゼロで一番効く演出です。
やってはいけないこと:聞かれていないのに説明すること。買い手は「自分がここに住んだら」を自分のペースで妄想したいのです。質問には笑顔で答え、それ以外は不動産会社のスタッフに任せて別室で待つくらいがちょうどいい。
満額成約のカギ:不動産会社の選び方
掃除と内覧準備と同じくらい大切なのが、不動産会社選びです。どれだけ部屋を磨いても、会社選びを間違えると売れません。
専任媒介 vs 一般媒介、どちらを選ぶ?
不動産会社との契約には主に2種類あります。
専任媒介契約:1社だけに依頼する。その会社が積極的に動く動機が生まれる半面、「囲い込み」(他社へ紹介しない)リスクがある。
一般媒介契約:複数社に依頼できる。競争が生まれるが、各社の動きが薄くなりがち。
私が3回の売却で学んだのは、どちらが良いかより「囲い込みをしない会社を選ぶ」ことの方が重要だということです。内覧件数が極端に少ない場合は、価格より先に販売活動を疑ってください。
まず複数社の査定を比べることが大前提
1社だけの査定で決めるのは危険です。査定価格には会社ごとに「下駄」の履かせ方があります。複数社を比べることで初めて相場の実態が見えてきます。
よくある質問
Q. 掃除はどこから始めればいいですか?
水回りからです。キッチン・洗面台・お風呂・トイレの4か所を磨くだけで印象は劇的に変わります。特にステンレスと鏡が最優先です。
Q. ハウスクリーニングを頼んだ方がいいですか?
数万円かける前にこの記事の①〜④を自分でやってみてください。私は3回ともセルフ掃除だけで乗り切り、直近は満額成約でした。空室で全体的に汚れが激しい場合のみ検討すれば十分です。
Q. 内覧は何件くらいで売れますか?
一般的に5〜10件の内覧で1件の申込みと言われます。内覧件数が極端に少ないなら、掃除ではなく価格設定か不動産会社の販売活動(囲い込みの有無)を疑うタイミングです。
Q. 売り急がない方がいいですか?
本当です。焦りが見えると値引き交渉されやすくなります。時間の余裕は交渉力そのものです。
まとめ|今日からできる7選
- 水回りのステンレスを鏡のように磨く(仕上げは乾拭き)
- 鏡はアルコールスプレーで水垢を一掃
- 風呂パッキンはバスマジックリン+歯ブラシで黒ずみを消す
- トイレは接合部まで拭いて「大切に使われた家」を演出
- 玄関の靴は1人1足まで減らして広く見せる
- においは前日からの換気で断つ
- 内覧当日は電気を全灯して、口出しは最小限に
高いお金をかけなくても、少しの手間と正しい知恵でマンションの印象は変えられます。掃除は「高く売る」魔法ではなく、「査定価格から下げずに早く売り切る」ための一番確実な方法——これが3回売却した私の結論です。
不動産会社選びについては、まず複数社に査定を依頼して比較することが大前提。1社だけに決めてしまう前に、必ず相場を把握してください。

コメント